義肢・装具とは

義肢装具の給付手続きについて

参考までに、義肢装具が給付される制度についてまとめました。
この制度は2014年作成現在のものです。

発症・受傷            
sita            
治療中か? YES 治療用として義肢装具が必要な場合        
NO   YES        
  仕事中の受傷か? NO 健康保険に加入しているか? NO 生活保護法医療扶助の適応
  YES   YES  
  労災保険(治療)の適用   各種医療保険  
  治療の実施   治療の実施   sita
治療終了
日常生活に更生用義肢・装具が必要か? YES 社会福祉給付制度の適用        
           
    仕事中の受傷か? YES    
           
    戦傷病者か? YES 戦傷病者特別援護法の適応    
           
    身体障害者に該当 YES 障害者自立支援法の適応    


訓練用仮義肢・治療用装具


保険制度を利用して訓練用仮義肢・治療用装具を製作する場合には、療養費払いという制度がとられています。これは一旦、義肢装具の製作を受けた製作施設に対し現金払いを行った後、手続き機関に請求を行い、自己負担額を差し引いた金額が還付されるシステムです。

労災保険による療養(補償)の費用の支給


労働者災害補償保険で訓練用仮義肢・治療用装具の費用の支給を受けたい方は、
01.
病院(労災指定医療機関等)で診察を受ける。
02.
医師より義肢装具製作所に処方が出される。
03.
所轄の労働基準監督署に訓練用仮義肢・治療用装具を製作したい旨を確認する。
申請書(※)に医師・事業主の証明を記入してもらう。
04.
義肢・装具の製作を始める。仮合わせ、適合チェックを経て、義肢・装具の納品に至る。
05.
本人が義肢・装具の費用を立替払いして製作所に支払う。
義肢装具製作所より領収書・内訳書(費用内訳に関する明細書)をもらう。
06.
監督署に払い戻しの請求を行う。申請書(証明書)・領収書・内訳書が必要。
07.
後日、労働局から払い戻しがある。

労災保険流れ

業務災害の方は「療養補償給付たる療養の費用請求書(様式第7号(1))」を、
通勤災害の方は「療養給付たる療養の費用請求書(様式第16号の5(1))」を使用します。
船員保険について:平成22年1月以降は、船員保険の労災部門が労災保険に統合されたため、義肢等補装具は労災保険から支給されます。

各種医療保険制度による訓練用仮義肢・治療用装具の療養費の給付


各種医療保険で訓練用仮義肢・治療用装具の費用の支給を受けたい方は、
01.
病院で診察を受ける。
02.
医師より義肢装具製作所に処方が出される。本人に対し、証明のための診断書が出される。
03.
義足・装具を製作する。合わせ、適合チェックを経て、義足・装具の納品に至る。
04.
本人が義肢・装具の費用を立替払いして製作所に支払う。 義肢装具製作所より領収書・内訳書をもらう。
05.
保険者(保険組合等)に払い戻し請求を行う。医師の診断書と領収書・内訳書が必要。
06.
後日、保険者から払い戻し(自己負担分を除く)がある。
健康保険手続きの流れ

  保険者 申請窓口
国民健康保険 市区町村 国民健康保険課
組合健康保険 健康保険組合 健康保険組合
各種共済組合保険 共済組合 共済組合

船員保険について:平成22年1月以降は、船員保険の労災部門が労災保険に統合されたため、義肢等補装具は労災保険から支給されます。

生活保護による医療扶助


生活保護受給者の方で訓練用仮義肢・治療用装具を製作したい方は、
01.
福祉事業所に義肢装具の申請をする。
02.
福祉事業所が病院に製作要否の意見書を依頼する。
03.
病院を受診し医師に意見書を記入してもらう。
04.
義肢装具製作所が福祉事務所に見積書を提出する。
05.
福祉事業所が治療材料券を交付する。
06.
治療材料券を義肢装具製作所に提示し、義肢・装具の製作を始める。仮合わせ、適合チェックを経て、
義肢・装具の納品に至る。
07.
製作費用は義肢装具製作所が福祉事務所に対して請求する。

生活保護受給者の流れ

(補足)自動車事故等第三者行為災害による補償


公的制度ではありませんが、自動車事故等の損害保険で義肢装具を製作する場合の手続きの例を示します。
01.
病院で診察を受ける。
02.
医師より義肢装具製作所に処方が出される。本人に対し、装着証明のための診断書が出される。
03.
義肢・装具の製作をする。仮合わせ、適合チェックを経て、義肢・装具の納品に至る。
04.
本人が義肢・装具の費用を立替払いして製作所に支払う。 義肢装具製作所より領収書・内訳書をもらう。
05.
本人の請求により、加害者は保険会社に請求する。 あるいは、直接本人が保険会社に請求する。医師の診断書と領収書・内訳書が必要。
06.
保険会社は、加害者あるいは本人の請求に応じ費用を支払う。

損害賠償による手続きの流れ

製作開始前に必ず保険会社(または加害者)に製作の可否と手続きを確認してください。保険会社によっては手続きが異なる場合があります。

更生用義肢・装具


治療終了後も障害が残り、義肢装具を必要とする場合には、更生用として本人の生活にあわせた義肢装具を製作します。この場合には制度によって手続きが異なります。労災保険や障害者総合支援法の場合にはその製作または修理に要する費用(補装具費)が支給されます。

労災保険による義肢等の支給


労働者災害補償保険では社会復帰促進等事業として義肢等の支給が行われています。
義肢等の支給または修理を受けたい方は、
01.
「申請書」に必要事項を記入し事業場の所轄の都道府県労働局に提出する。
02.
審査(調査)の後、労働局から本人へ承認書が出される。
03.
申請者は、承認書をもって義肢装具製作所に製作または修理を注文する。 (採型指導が必要な場合は、採型指導医に承認書を提示して採型指導を受ける。
04.
義肢装具の製作をおこなう。(採型・適合チェック・仕上げ等。)
05.
支払いを行ない、義肢装具を受け取る。(支払いの方法は2通りがあります)。   
 A.
申請者が費用負担をしない場合   
  1.
受領委任の手続きをし、費用請求書を義肢装具製作所に渡す。   
  2.
義肢装具製作所が労働局に費用請求し、労働局が義肢装具製作所に費用を支払う。
  
 B.
申請者が一旦費用を負担する場合   
  1.
製作業者に製作費用を支払う。   
  2.
申請者が労働局に費用請求し、労働局が申請者に費用を支払う。
損害賠償による手続きの流れ
平成20年4月より申請書の提出先は都道府県労働局になりました。
平成21年4月より手続きが変更されました。(詳しくは管轄の都道府県労働局へお問い合わせください。)

戦傷病者特別援護法による補装具の交付


戦傷病者特別援護法により義肢・装具を製作したい方は、
01.
福祉事務所に申請をする。(必要書類は申請書・見積書・戦傷手帳・印鑑。)
02.
義肢装具製作所に製作・修理の受付をする。
03.
義肢装具製作所より福祉事務所に見積書を発行する。
04.
本人宛てに決定通知書、義肢装具製作所宛てに委託通知書が発行され、別に本人あるいは義肢装具製作所宛てに交付券が発行される。
05.
本人は、義肢装具製作所に交付券を提示し、義肢・装具を製作してもらう。
06.
納品のため必要手続きをして、義肢装具製作所より義肢・装具を受領する。
戦傷病者に対する支給手続きの流れ

障害者総合支援法による補装具費の支給


障害者総合支援法により補装具費の支給を受けたい方は、
01.
福祉事務所に申請をする。
02.
義肢装具製作所に製作・修理の見積書作成を依頼し、見積書を福祉事務所に提出する。
03.
福祉事務所より更生相談所に判定依頼(書類判定)が行われる。
04.
医学的判定を受けるため、 (a)更生相談所に来所予約をし、判定を受ける。 または(b)福祉事務所で所定の意見書を入手し、医師の診察を受ける。指定医の証明した意見書を福祉事務所に提出する。
05.
更生相談所は、判定依頼に基づき福祉事務所に判定書を交付する。
06.
本人宛てに補装具費支給決定通知書、補装具費支給券が発行される。
07.
本人は、義肢装具製作所に支給券を提示し、契約を結ぶ。
08.
義肢・装具の製作または修理を行う。
09.
指定日に更生相談所に行き適合判定を受ける。(福祉事務所によって、手続きを省略しているところもある。)
10.
(a)償還払いの場合:義肢装具製作所へ製作費を支払い、義肢・装具と領収書を受領する。
(b)代理受領の場合:自己負担額を義肢装具製作所へ支払い、義肢・装具と領収書を受領する。代理受領の委任状に記名押印する。
11.
(a)償還払いの場合:市町村へ費用を請求し、後日市町村より製作費用(自己負担分は除く)が支払われる。
(b)代理受領の場合:義肢装具製作所が市町村に残りの費用を請求し、製作所に支払われる。


障害者自立支援法での流れ
償還払い
療養費払いと同じく一旦、製作所に対し支払いを行った後、市町村に請求を行い、利用者負担金額を差し引いた金額が還付されるシステムです。
代理受領
利用者負担額を義肢装具製作所に支払い、義肢装具製作所が残金を市町村へ請求、受領するシステムです。
総合支援法では原則として償還払いの方法をとっていますが、利用者の利便を考慮し、代理受領の方法も可能となっています。
利用者負担額は原則として製作費用の1割ですが、世帯所得により上限が区分されています。
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